こころの軌跡〜天使くんの母の気持ち〜 本文へジャンプ
あきらめないで...
天使くんが保育所に通うようになって、2ヶ月が過ぎました。
入所当初、これは無謀な決断だったのか...と、すごく悩みました。
保育所で泣いている天使くんを見るのが辛かった。
やっぱり、まだ早かったのか...?
辞めちゃおうか...とも思いました。
でも、周囲の人達に励まされて、もう少し様子を見てから考えようと思い直して、
1ヶ月が過ぎた頃、天使くんに変化が見られ始めました。
保育所で泣くことが少なくなってきたんです。
そして、着席していられる時間も長くなってきて、お給食も、頑張って食べているらしい。
先生のお話も、かなり理解しているらしい。
私の予想に反して、なんとまあ順調に順応しているんでしょう!
やっぱり、同年代の子ども達の集団のパワーって、すごいっ!!
きっといろんなことを吸収しているに違いないです。
歩幅は小さいかもしれないけど、一歩一歩、確実に前進しているみたいです。
こんなに嬉しい事は無い!って、思えるくらい、天使くんの頑張りに拍手拍手!
これからの保育所生活で、眠っている能力がどんどん目を覚ましてくれるといいなぁ...
今は、ほんと〜〜〜に諦めちゃいけないんだって、思います。
希望を持って、前進あるのみ!

実は、ここ1年以上、ずっと悩んでいた事がありました。
それは、「もっと障害児福祉の充実したところへ、引っ越したい」という気持ちが捨てきれなかったのです。
障害児保育を行っている保育園のあるところに引っ越して、
そういう園にまぁちゃんをお願いしたい....と、真剣に考えていました。
今住んでいる家は、持ち家です。それを売って住み替えを...と、密かに計画を練っていました。
天使くんのためなら、それくらいしちゃうぞ!
なんて、この町から出て行く事ばかりを考えていました。

でも、何もせずにダメと決めつけるのもなんだし、地元の保育所なんだからとりあえずと言う感じで、
ダメもとで見学に行き、天使くんの様子やこちらの考え方を正直にお話ししてきました。
その時の保育所側の反応は、受け入れたい気持ちはあるらしいけど、
スタッフの問題もあってかなり難しいかな...という感じでした。
はっきり言って、こりゃダメだ...と、諦めていました。しかも、3年でお願いするなんて、無理無理!
やっぱり、これはお引っ越しお引っ越し...と、逃げ出す事ばかり考えていました。
ところが、今までは、障害児保育に消極的だった保育所が動いたんです。
そして、町の保育所の障害児保育枠で天使くんの入所が決まり、
今現在、熱心な先生に恵まれ、天使くんはのびのびと保育所生活を楽しんでいる(ように見える)。
もう、これで良いと思えるようになりました。
それに、町のほうでも親子教室が実施されるようになったのも、とても嬉しいことです。
諦めないで、逃げ出さないで、良かった...と痛感しています。
だって、こういう問題は、天使くんひとりの問題では無いって思うから。
天使くん以外にも、同じように行き場の無い子ども達がいるんです。
そんな子ども達のためにも、新しい道を作っていくこと...これがまた大切な事だと気が付きました。
これからも、天使くんのような子ども達が楽しく笑って生きていけるように、
親が積極的に行動を起こして、その手助けをして行こう。
じっとしていたのでは、何も生まれないし、始まらないよね。

                                                    2000年6月記