こころの軌跡〜天使くんの母の気持ち〜 本文へジャンプ
新たなる世界へ...
さあ、たいへん!
予想外に、母子分離の時期が早く来てしまいました。
とうとう天使くんの保育所入所が決まったのです。
バタバタと入所の手続きを済ませ、あれよあれよという間に入所の日が来て、
保育所生活がスタートしました。
私達親子にとって、全く未知の世界への旅立ちです。

天使くんのクラスは、3歳児クラスで、16人の子ども達がいます。
そこで障害児枠の子は天使くんを含めて二人。
担任の先生以外に、障害児保育担当と言うことで補助の先生がついています。
この「補助の先生」というのが、パートの保育士さんで、しかも、二人が交代で当たっています。
結局は障害児の子二人に先生一人、ではなくて、16人の子どもに二人の先生って感じで、
ちょっとその点で不安はあるのですが....
入所式から1週間ぐらいはママも付き添っていたので、天使くんも楽しそうにしていました。

これは順調な滑り出しか....
な〜んて思うのは大きな間違い!そんな甘いもんじゃないです。
母子通園ホームに通っていたときもそうでした。
通い始めてすぐの頃は、機嫌は良かったのです。
ところが、1ヶ月ぐらい経ってから泣き出すようになりました。
ちょうど慣れてきた頃に変化が見られてくるんです。
私の予想したように、付き添わなくなって1〜2回はまだだいじょうぶでした。
でも、日を追うごとに様子が変わってきて、やっぱり泣き出してしまうようになりました。
ママがいなくて、不安で心細くて、どうしようもないみたいです。
そんな天使くんを保育所において私は家に帰る。
天使くんの気持ちを考えるとこっちまで涙が出てきてしまう。

天使くんの泣き顔を見ると、ついつい弱気になってしまう私。
でも、天使くんにとって、新しい環境に慣れるということは、
とってもたいへんな事なんですよね。
誰よりも時間が掛かるってことを忘れちゃいけない。
最初はそこにいるだけで精一杯。だから周りの状況を理解する余裕なんてない。
そしてある程度時間が経って、今自分のいる状況がなんとなくわかってきた時、
この時から、天使くんの心の葛藤が始まるんです。

いろんな重圧に押しつぶされはしないだろうか....?
母子通園していた時は、ママも一緒にいたので、辛い時もすぐそばで
支えてあげる事ができました。
でも、今度は天使くん一人で克服して行かなければならないのです。
それだけの強さがあるんだろうか....?
そんな事を考えると、胸がしめつけられる思いがします。

でも、ホッとする瞬間もあるんです。
それは、お迎えに来たママのことを見つけた時の天使くんの顔を見た時。
パッと明るくなった表情を見せて私のほうにまっしぐら....
それだけ母子関係は確立されているという事で喜ばしいことです。
まだまだ始まったばかり。
不安なことは挙げ始めるとキリがない。
なるようになる....とにかく今は、そう思って、辛いけど見守っていくしかないです。
時間が解決してくれるのだろうか....?
この先、楽しい園生活が待っていることを願うばかりです。
まぁちゃん、頑張るんだぞ!!
                                                    2000年4月記