こころの軌跡〜天使くんの母の気持ち〜 本文へジャンプ
療育のスタート〜新たなる壁 
まだまだ母親と一緒にいる時間が大切だという人もいれば、
いやいや、そんなことはないからなるべく早く集団の中に入れなさいという人もいました。
賛否両論はあったものの、周囲への関心も高く、
昼間母親とふたりきりという生活ではあまりにも刺激が少ないかなと思い、
やはり、母子通園することに決めました。
通い始めて一ヶ月ぐらいは、よくわけがわかっていなかったのか、
ご機嫌でいる事が多かった天使くんも、だんだん様子が変わってきてしまいました。
だいたい天使くんは強制されることが大嫌い!
療育施設では、一人一人順番にいろいろやらされます。
これが苦手なんです。訓練だから仕方ないことなのですが、
手足を捕まれて、強引にやらされることに、泣いて抵抗するようになりました。
環境の変化にも敏感に反応する天使くんなので、慣れるまでには時間がかかりそうです。
同じグループのお友達が泣かずにどんどんやる姿を見て、羨ましく思ったりもします。
でも、そういう子達も、聞けば最初は泣いて嫌がっていたんだとか・・・・
先生にも、「慣れて泣かなくなれば伸びるんですよ、みんな経験することです」と言われ、
ほんとかなぁ・・・?とちょっと疑ってみたりもする。
天使くんが、「ママはどうしてぼくにこんなことをさせるの?」って
涙目で訴えているのを見るとこっちまで辛くて、
ついつい涙が出てしまいそうになってしまったこともありました。

でも、考えてみれば、こうして自己主張することを覚えていくんですよね。
今まで天使くんにとっては心地良いことだけをしていれば良かったので、
不快感を訴えるということがあまりありませんでした。
自分がイヤなことはイヤと、泣いてでも訴える・・・・
これって今まで天使くんはやらなかったことなんです。
泣く事なんてほとんどなかったんですから・・・・
母子通園を始めたのが良いきっかけだったのかもしれません。
遊びの幅もちょっとずつだけど、広がりつつあります。
ママの手を取って、手遊びをせがんだりもするようになり、
嬉しい変化が少しずつでも見られるようになってきました。
相変わらず、発語も模倣もしないけど、いろいろな状況はわかっているみたいなので、
それだけでも、すごいことなのです。
周りの子達と比較して、あれが出来ない、これも出来ないと嘆くより、
どんな小さな事でもいいから、新しく出来たことをいっぱい誉めてあげよう
と思っています。
天使くんなりに、一歩一歩前進してるのだから・・・・

母子通園に行って、泣かれるのは辛いけど、
いつか、泣かずに笑顔でいられるようになると信じて、
天使くんと一緒にガンバルぞ!

今度は就園問題・・・・
これがまた悩みの種です。(T_T)                       1999年10月記