こころの軌跡〜天使くんの母の気持ち〜 本文へジャンプ
自立へ向けての第一歩
天使くんは養護学校の小学部1年生になりました。
毎日スクールバスに片道45分間揺られての通学です。
バスは大好きなので、いつもニコニコ笑顔で登校して行きます。
入学した当初は教室にも入れず、不安定な状態が続いたようですが、
私たち大人が思っていたよりも早い時期に学校には慣れ、
行事も運動会、学習発表会、持久走大会など、大きなイベントも無事終えて、
毎日楽しい(?)学校生活を送っているらしいです。
よかったよかった...(^。^;)ホッ
やっぱり、養護学校に入学してよかった...のかな。。。
地元の普通小学校で健常児と一緒に過ごせたら...これが理想でした。
でも、専門的な知識のない先生にはお任せできない...これが現実でした。

養護学校小学部では、将来のことを考えて、身辺自立指導に重点が置かれています。
着替え、食事、排泄など、基本的な生活習慣を身につけるための
指導が行われているようです。生きていくためには基本中の基本ですからね。。。
入学して間もなく、進路に関するアンケート調査がありました。
高校進学、就職、施設入所、通所、在宅など、将来どうしたいかを問う内容でした。
希望する項目を選択するという形でしたが...
「そんなのわかんない〜」って言うのが本音。
とりあえず希望する項目に○を付けて提出しましたけど。
だって、やっと入学してホッとしていたときで、そんな将来のことなんて、
まだ具体的に頭に描いていなかったし、どの程度まで成長していくのかだって、
全然予想もつかないのだから。。。
でも、それじゃいけないみたいです。
今から、将来社会に出るときの事を見据えて、子どもと向き合っていかなくてはいけないようです。
手を貸すのは簡単だけど、それじゃ、本人のためにはならない。
自分でできることを増やさなくてはいけない。
周囲の人たちに不快な思いをさせないように排泄や食事の指導をしなくてはいけない。
などなど、真っ先に先生方からアドバイスをいただきました。
そして、知的障害者が働いている施設を見学に行く機会もあったりして、
必然的に将来のことを考えさせられる状況に追い込まれて行く。。。
そうですよね...親が元気なうちはいいけど、子どもの成長とともに親は老いて行くのだから、
一人で生きていける力を身に付けさせなければならない。

発達の遅れを指摘されてちょうど7年が経ちました。
今では、大学病院小児科の診察も年に2〜3回のペースになりました。
診察のたびに結局「だから何??」てな感じですが。。。
今まで、ありのままを受け入れ、辛いこと、苦しいことは、なるべく考えないようにしてきました。
できることに目を向け、できないことはそのうちね...と、あまり深刻には考えないようにしてきました。
そうすることで気持ちが楽だったから。。。
でも、そろそろ意識を変えなくてはいけない時期かもしれない。
楽しいだけじゃダメ...生きて行くために、クリアしなくてはいけないことがたくさんある。
可愛いだけでは済まされない。
時々思う。お兄ちゃんのことについてはこんな心配はしないのに...って。
(そりゃ心配だけど、具体的にどうというのはないし。)
将来働くかもしれないところの見学なんて、まずありえないって。
これが健常児と障害児の親の大きな違い??

天使くんは将来社会に受け入れてもらえるのかな?
これからだよね。10年後、どうなっているのかな?
出来ることを一つでも増やしていかなくては...
焦るな焦るな!大丈夫...きっと、なんとかなるさ。
本当になんとかなるのかな??
とにかく前を向いて歩いて行かなくちゃね。しっかりしてよ、ママ!!
(と、自分にカツを入れておこう〜(-_-;))
                                                 2003年12月記