こころの軌跡〜天使くんの母の気持ち〜 本文へジャンプ
天使くんが生まれてから、発達の遅れを指摘されるまで
天使くんは何もトラブルもなく順調に生まれました。
もちろん妊娠期間中も、何も異常は無くおなかの中で元気に動いていました。
だから、生まれてきた天使くんを見たときに、当然スクスク大きくなって、お兄ちゃんと元気に遊びまわれる
極々普通の日常生活が待っているものと思っていました。

1ヶ月健診でも異常は無く、ただちょっと気になったのは、あまり泣かない子だなぁってことぐらい。
なんて手が掛からない良い子なんだろう・・・なんてのんきに構えていた私です。
決して母乳の出が良かったと言うわけでもなかったけど、片方飲めばもう満足で、
オイオイなんでこんなに飲まないで大丈夫なのっていうほどで、おまけにミルクもあまり受け付けませんでした。
でも機嫌が良いから、これまたこんなものかなぁ・・・なんてあまり深くは考えませんでした。

首は一応3ヶ月過ぎ頃に座って、何やら小さな声でうっくんうっくんお話しするみたいだし、
順調に育っているみたいだなぁ・・・なんて思ったりして、
でも、いつまでたってもお座りができないぞ、変だなぁ・・・それに、抱っこすると腕がなんか突っ張ってしまって、
ちょっと妙だなぁ・・・と思いながら受けた8ヶ月健診。
帰宅してから、保健婦さんからの電話。「お子さんの発達のことで心配なことがあるので、明日また来てください」
という内容でした。ガ〜ン・・・慌てて家にある育児書や医学書を引っ張り出して、調べまくりました。
でもよくわからない。とりあえず翌日ほかの先生に診ていただいて、「これは精密検査が必要です。運動面で遅れが
見られます。精神面に関しては今のところそんなに遅れは感じられませんけどね。大学病院を紹介しますから
検査してもらってください。」とのことでした。またガガ〜〜ン・・・
そんなぁ・・・なんでぇ・・・どうしてぇ・・・まぁ、確かにちょっと妙かなって思っていましたが、
そうはっきり言われると、やっぱりショック!!

大学病院に連れて行く前に、近所の病院で脳波とCT検査を受け、こんな小さな子どもの頭に電極付けるのって、
あ〜、技師さんもたいへんだなぁ(一応臨床検査技師の資格を持っているものだから)そんなことを考えていた
のんきな私。その結果を持って大学病院の小児科を受診しました。8ヶ月ではまだなんとも言えないので、また1歳過ぎに
来てくださいとのことで帰宅。やっぱり心配するほどのことでもないのかしら?(いやいや、考えは甘かった。)

1歳過ぎ、いよいよ発達遅滞の宣告を受けるときがやって来ました。
「検査入院してください。」担当医のひとこと。
前回受診した時とあまり様子が変わっていなかったので覚悟はしていたものの、やっぱりかなりショック!!!
いったい何処が悪いの??なんで、こんなに無邪気でいつもご機嫌なこの子が・・・検査入院だって!?
会計待ちの時間にあれこれ頭の中で考えているうちに、涙が溢れてきました。泣いちゃいけない・・・
そう思っても、何も知らずにニコニコしている天使くんを見ていると、涙が止まらなくなってしまいました。
ど〜〜〜っと落ち込んで帰宅。これから先どうなっていくのだろう???                    1999年6月記