台湾の配電設備について

台湾の配電設備は日本とは大きく異なっている。主な相違点は、

1.             配電電圧は110V/220V(60Hz)。

2.             電力会社は国営の独占事業。

3.             配電線は基本的に地中埋設。

台湾は九州と同程度の面積の国土の大半が山岳で可耕地は島の30%にすぎない。総人口はおよそ2,210万(199912月)、人口密度は1平方キロメートル当たり平均610人と、世界で2番目である。台湾最大の都市は台北(264万)で、高雄(146万)がこれに続く。これらの事情から、住居は大半が集合住宅であり独立家屋は田舎に散見される程度である。集合住宅も3〜5階建ての小規模のものから高層の大規模なものまで多彩に密集して建っている。大半の集合住宅は1階が商店となっており、かつ2階以上が歩道の上にせり出して建築されている。これは停子脚と呼ばれる構造で土地の有効利用とスコール時の雨よけになっている。ただし、この軒下の歩道も町にあふれるバイクの駐車場になっているため歩行者には歩きにくい。

50年間の日本統治時代に電力インフラを整備した台湾電力は、敗戦後国民党政権により接収され国営の台湾電力公司に引き継がれている。国営でインフラ整備された事、戦後しばらくはアメリカの財政援助があった事などからアメリカライクの配電設備を使用し、前述の独特な住宅事情から地中埋設が進められていったものと思われる。

このため、町の中は日本で一般的に見られる様な電柱に配電線がゴミゴミ張られている事はなく非常にすっきりしている。町の所々に地上設置の配電トランスが設置されているが、配線は全て地下に埋設されており、停子脚の柱の内側に引き込み線とWHMが設置されており、道路側から眺めただけでは配電系統が分かりにくいものとなっている。

台湾第二の都市高雄市内の街並。一戸建て住宅は見られない。

 

町で見かけた地上設置の配電トランス

 

郊外で見かけた電柱。高圧線は3相3線だが低圧は1?〜4線?良く分からない。

停子脚の柱の内側(歩道側)に設置されたWHM(220V3相)日本の水道メータの様な針式メータだった。

 

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